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2021/07/12 08:41




モロッコで陶器と言えば、モスクやリヤド、街中で見かけるゼリージュと呼ばれる装飾タイル。
レストランでも砂漠でもお家でも出てくる、日本でも数年前に流行った三角のタジン鍋。

タイルもタジン鍋もいろんな種類がありますが、それだけじゃないんです。
(モロッコ陶磁器に関しては、また別のタイミングで!)

モロッコには陶器の二大産地があって、フェズとサフィの陶器がお土産物屋さんによく並んでいます。

サフィの陶器はカラフルでビビッドな色合いの物が多く、手描きの模様に温かみがあって、艶やかでフェズ陶器よりも軽やかな印象の陶器に感じます。

フェズの物はサフィの土よりキメの細かい土で作られているのか、重量感もあってサフィのカラフルな色合いより少し落ち着いたトーンの絵付け模様が多く、しっとりとした質感の陶器です。


その他、最近日本でもよく見かけるようになった、砂漠に近いエリアのタムグルートの陶器は金茶色や緑の釉薬がかかっていて、ル・マラケシュのムスタファさん曰くタムグルートでしか出ない緑色だそうです。
ムスタファさんのご出身エリアにとても近いそうで、ご実家でも昔からタムグルートの器を使っていたとか。
あの緑釉の器に懐かしい感じを覚えるのは、日本にも昔からある自然釉の織部のせいかな。
火によって、同じ化学変化が違う土地で起っているのは面白くて浪漫すら感じます。
モロッコのどんな土と何の植物から作られた釉薬で緑に変化しているのかな…

わたしが旅の途中で出会った陶器を持ち帰るのは、その土地の土を持って帰るような感じです。
遠く旅に出て、また日本からその場所を想いながら彼の地のかけらのような陶器に触れるひとときに今はいつも以上に癒されています。
そんな時間に助けられつつ旅情を掻き立てられつつ…
触れる触れる触れる。
あるはむどぅりっらー⭐️ 

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Naima  ナイマ
(ムスタファ氏より命名)
2003年に初めてモロッコへ。
以後、モロッコ料理と手仕事を探る旅を続けている。
全ての手仕事を尊敬している。